2024.05.20
はじめに
根管治療は歯を救うための効果的な治療法であり、専門医が適切な方法で行えば多くの場合、成功を収めます。しかし、ラバーダム防湿を行わない等不適切な方法で行ったり、知識・技術不足の歯科医師が行うと根管治療後に症状が再発することがあります。この再発の原因や、再発を防ぐための治療方法について探求していきましょう。歯の健康を守り、持続的な快適さを確保するための情報がここにあります。
根管治療の流れについて解説
根管治療の流れは一般的に以下のステップに分かれます。
1. 診察
歯科医院で診察を受けます。歯のX線を撮影して、根管治療が必要かどうかを判断します。
2. 麻酔
治療方針が決定したら、歯科医師は治療対象の歯を麻酔で麻痺させます。これは患者が痛みを感じないようにするためです。
3. 虫歯の除去
麻酔が効いた後、歯が噛み合う部分に小さな穴を開けます。この穴を通じて、歯の根内部にアクセスします。そして虫歯部分を除去します。歯髄(歯の内部にある神経と血管の組織)が感染している場合はそれも除去します。感染組織を根管から取り除くことで、感染の拡大を防ぎます。
4. 根管の消毒
歯髄を取り除いた後、根管内を消毒液で無菌化します。
5. 充填:
根管内が消毒されたら、根管内を特殊な材料で充填します。
6. 歯を修復する
治療が完了したら、被せ物(通常はクラウン)を被せて歯の形を戻します。
根管治療の治療期間とは?
根管治療の治療期間は、前歯か大臼歯か、神経の空間の形状、治療が必要な根管の数などに影響されます。前歯より大臼歯の方が根管の形態が複雑ですし、治療する根管の数が多いと、それだけ治療に時間がかかります。 一般的に(専門医が行う場合)、最短で1回から3回程度の通院が必要です。 診察、麻酔、虫歯の除去、根管の消毒までを1回で終わらせ、一度痛みが出ないかどうか確認し、痛みがあれば治療を続け、痛みが引いて炎症や感染がなければ充填します。充填した薬剤が問題ないことを確認したら、被せ物を作る処置へと移ります。 それぞれの診察の間隔は1~2週間程度がいいでしょう間隔をあまり開けすぎると、仮の蓋が取れて感染を起こすことがあります。
根管治療後、再発してしまった場合の症状について
根管治療後に炎症が再燃したときには、以下のような症状がみられます。
歯の痛み、浮いた感じ、噛めない感じ:炎症によって歯の痛みが強く出てきます。また歯が感染部分に対して違和感を示すことがあります。歯の浮いた感じ、噛めない感じとなって出てくることが多いです。 歯茎の腫れや膿が出てくる:これは炎症が歯の外に波及して進行しているサインです。早期に治療が必要です。また膿による口臭が生じることがあります。
これらの症状が現れた場合、早急に歯科医師に相談することが重要です。再発を放置すると、感染が進行して治療が難しくなる、もしくは抜歯するしかない、という可能性があります。