顎咬合学会認定医が
多角的に診断・治療いたします
噛み合わせが全身へ及ぼす影響
肩こり・腰痛・不眠症・うつ・メタボリックシンドローム
歯科で治療できることに、「噛み合わせ」があります。
良くない噛み合わせの具体例としては、いわゆる出っ歯やすきっ歯、受け口などが挙げられます。
歯並びが複雑になることで磨き残しが多くなると、虫歯や歯周病のリスクも高くなってしまいます。悪い噛み合わせによって口を閉じているのが苦手な方は、口内が乾燥して唾液が不足し歯の修復機能が落ちるので、より虫歯になりやすい傾向にあります。
しかし噛み合わせの問題は、口内だけにとどまりません。全身のバランスにも影響を与えていることがわかっています。
噛み合わせが悪いと、噛みやすい部分だけを使って咀嚼する癖がついてしまうので、左右の筋肉に差が出て顎関節症になったり、肩や首の筋肉の緊張から肩こりや頭痛を引き起こしたりします。全身の骨格のバランスが崩れてしまうので、腰痛などの症状が出ることもあります。
悪い噛み合わせは常に周囲の神経や筋肉などを緊張させるので、そのストレスで自律神経が乱れて不眠症やうつになることもあります。
噛み合わせが悪いと、食事の際に前歯で噛みちぎったり奥歯で良く噛んだりという当たり前の動作がしづらくなります。咀嚼が十分にできないと食べ物の消化や吸収に影響し、内臓に負担をかけかねません。噛みづらいからといって炭水化物を中心とした柔らかい食べ物ばかり偏ってとっていると、内臓脂肪が増えメタボリックシンドロームになるおそれもあります。
また歯並びが悪いことにコンプレックスを抱える方も少なくありません。
「思いきり笑うことに抵抗がある」「口元を見られたくないのでマスクをしている」など、噛み合わせの問題が普段の生活に影を落として、ストレスになることも。
当院ではこうしたさまざまな観点から噛み合わせの問題を捉え、治療に取り組んでいます。院長は顎咬合学会認定医でもあるので、臨床経験も豊富です。患者さまそれぞれの状態を多角的に診断し、的確な治療計画を提案します。
噛み合わせの治療で歯並びを整えることで、笑顔に自信を取り戻して、全身の健康回復につなげましょう。
噛み合わせが悪くなる原因
虫歯・歯周病・歯ぎしり・姿勢
そもそもどうして噛み合わせは悪くなるのでしょうか。
歯の大きさや顎の骨格の問題といった生まれつきの要因や、乳歯の頃や生え変わる時期に原因がある場合も考えられますが、永久歯に生え揃ってからの口内環境や生活習慣でも歯並びは悪くなります。
虫歯になると、虫歯菌の出す酸によって歯が溶けて形が悪くなったり、治療のため歯を削ったり抜いたりするので、噛み合わせが変化してしまうことがあります。歯周病は歯の根や骨を弱らせるので、歯並びに影響することがあります。
噛み合わせの悪さが歯磨きのしにくさにつながり、虫歯・歯周病の原因になることもあります。噛み合わせと口の中の病気は相互関係にあるのです。
また歯ぎしりで強い圧力がかかると、奥歯が削れたり歯肉に押し込まれたりして、噛み合わせがずれていくことがあります。
姿勢の悪さも歯並びに影響しています。猫背や頬杖、うつぶせ寝といった何気ない日常の癖も、肩や首の筋肉に負担をかけて、口周辺のバランスを崩して噛み合わせを歪ませます。悪い噛み合わせもまた全身のバランスに影響するので、問題を多面的に捉えて治療していくことが大切です。
噛み合わせの治療方法
矯正による治療
噛み合わせの治療方法で一般的なのは、歯に直接装置を設置する矯正治療です。
矯正治療では、歯の表面にブラケットという矯正装置を取りつけて、そこにワイヤーを通し少しずつ歯を移動させます。幅広い年齢とあらゆる症例に対応できる最もスタンダードな治療です。
また、同じ矯正でも歯の裏側(舌側)に装置を取りつける方法もあります。こちらは矯正装置が外から見えないので、人目を気にせず矯正治療ができるというメリットがあります。
補綴(被せもの)による治療
大きな虫歯や歯周病などで歯の大部分や全体を失ってしまうと、放置した場合は周囲の歯が動いたり、装着した詰め物や被せ物の高さが合っていない場合は、噛み合わせがずれてしまうことがあります。そうした場合には、補綴物(ほてつぶつ)を入れる、もしくはやり直しをして噛み合わせを修正します。補綴とは被せ物、入れ歯やブリッジ、インプラントなどを用います。
口内の状態によって、採用する治療法はさまざまなので、まずは検査をしてどのような方法が適しているか診断し、患者さまのご希望を伺いながら治療計画を立てていきます。
スプリント(マウスピース)による治療
顎の関節内部にずれがあり、口の開け閉めに痛みを感じたり音が鳴ったりする場合には、まず顎関節を安定させる必要があります。
患者さまの歯型からオーダーメイドで矯正用のスプリント(マウスピース)を作り、主に夜間装着していただきます。透明な薄い形状で、見た目も気になりません。ご自身で着脱可能なので、取り外して食事や歯磨きができます。
スプリントによって、噛む力をそれぞれの歯にバランス良く分散させ、顎関節に強く偏った力がかかるのを防ぎます。定期的に調整をして、少しずつ顎のバランスを整えることで、関節内部の構造が安定してきて、顎も正しい位置に定まります。
大きく歯を動かす必要がある矯正治療などには不向きな方法なので、まずは一度ご相談ください
咬合調整
咬合(こうごう)とは噛み合わせのことで、悪い噛み合わせのことを専門的には「不正咬合」といいます。噛み合わせの調整というと、矯正治療のみを思い浮かべがちですが、虫歯や歯周病といった一般歯科治療から、入れ歯・インプラント治療や審美歯科など、歯科治療全般で行なわれています。
こうした治療のそれぞれの場面で適切な咬合調整を行なうことは、とても重要なことです。
当院の院長は日本顎咬合学会の認定医でもあり、豊富な経験に基づいた技術で、正しい噛み合わせを実現する治療に取り組んでいます。
顎関節症とは
以下の様な症状が一つでも当てはまると、
顎関節症の可能性があります。
- 顎が痛い
- 口が開きづらい
- 顎を動かすと音がする
当院ではまずその他の病気の有無と、顎の症状がどのように始まって変化してきたかをカウンセリングで確認します。顎関節や筋肉の状態などを診察し、必要があればレントゲンや歯科用CTでも調べます。 多くの場合、顎関節の内部にある関節円板というクッションのような組織が前方にずれることで音が出ていたり、口が開けられなくなったりしています。下顎を動かす筋肉が痛む、関節の骨が変形しているといったケースもあります。
かつては噛み合わせが原因となって顎関節症になると考えられてきましたが、現在では噛み合わせも一因に過ぎず、さまざまな要因で症状が出ることがわかってきました。顎関節や筋肉の構造的な弱さに起因していたり、打撲や転倒といった外傷がきっかけになることもあります。咀嚼の癖や睡眠時の姿勢といった日常の何気ない動作や、精神的な問題が影響することもあります。
顎関節症の治療方法
スプリント(マウスピース)による治療
顎関節内部のずれを治療するために、スプリントを装着する方法です。
スプリントはオーダーメイドで作製します。透明な薄い装置なので、目立たず装着に違和感も少ないです。取り外しできて食事や歯磨きの際にも不便がありません。
スプリントを装着することで、顎関節にかかっていた強く偏った力を防ぎ、筋肉の負担を軽減させ、それぞれの歯でバランス良く噛めるようにしていきます。少しずつ顎のバランスを整えることで、関節内部の構造を安定させて、顎関節症を改善します。
認知行動療法
顎関節症の原因となるものに、日常的な行動の癖が挙げられます。
- 長時間同じ姿勢でスマートフォンを操作している
- 座る時に頬杖をついたり足を組んだりしている
- 食事のとき、つい片側だけで噛んでしまう
- うつぶせ寝が好き
- 口を閉じた時に歯と歯を接触させていることが多い
これらはほんの一例ですが、患者さま自らがこうした癖を自覚し、意識的に生活習慣を変えることが、顎関節症の改善に大きくつながります。